愛想よく受け止め、語ろう~認めてほめる以前に注意したいこと。

愛想よく「〇〇さんなら、大丈夫」と伝えよう。~認めてほめる以前に注意したいこと。

この記事の内容
1)内藤誼人さんの本より
2)愛想よく受け止め、語ろう
3)学び始めこそが要注意
4)まとめ 学ぶほど奥が深くなる

 

1)内藤誼人さんの本より

昨日ブックオフで購入して読んだ本に、とても共感する話があったので、ご紹介しよう。

内藤誼人(心理学者)著 図解 一瞬で心をつかむ心理会話 KKベストセラーズ 2007年 より 106ページを全文引用↓

男性にこそ温かい言葉を

男性がスナックに通う理由

どうして世のサラリーマンたちは、スナックやクラブといった水商売のお店に通うのか。

答えは簡単である。ママさんやホステスさんが、ほめてくれるからだ。もっと具体的にいえば、温かい言葉で励ましてくれるからだ。男性は女性以上にこうした温かい言葉を欲しているのである。

インディアナ州にあるビンセンズ大学の心理学者、チャールズ・マクマホンは、男女の被験者たちを集め、自分がどれくらい励ましや温かい言葉を求めているか、答えてもらった。

すると、男性は39,2点(80点満点)も温かい言葉を欲し、女性は33,2点であることがわかった。

会社では、なかなかそんな温かい言葉をかけてくれる人はいない。そう考えると、彼らがスナックのママさん相手に愚痴をこぼすのも、うなずける話である。

相手に「男惚れ」させてみろ

だから、男性を手玉に取ろうと思ったら、とにかく温かい励ましの言葉をかけることだ。「鈴木さんなら大丈夫ですよ」「お前ならできるよ」「あと1年がんばろう」「オレは信じてるから」などと、励ます。

くれぐれも、「オレがやってやるよ」などと援助を申し出るような言葉をかけてはいけない。こうした言葉に対しては、男性は「自分は無能と思われている」と感じてしまう。そうではなく、あくまでもサポーターのような気持ちになって励まし、応援するのだ。

原則として、女性は毎日ほめておかないと喜びが持続しない。

しかし男性は、社長のたったひと言で40年もがんばることができるのだ。

(引用ここまで)

 

3)愛想よく受け止め、語ろう

いかがだろうか。
この話を読んだ時に私が思ったのは、相手が悩みや愚痴を話した時に、さえぎってすぐ励ますのは逆効果。いったん受け止める、つまり「そうなんだ」と同意する。あなた自身がどう思うかではなく、「君はそう思っているんだね」というワンクッションを置くのだ。できているだろうか。

そして、口調やトーン、表情を一言で言えば「愛想よく」することをおすすめする。

私はこれまで㈱チームフロー(現㈱イノベイティア)の後輩コーチたちを、スカイプ上のグループコーチングおよび1対1のコーチングでサポートしてきた。その際、短くロープレをしてもらうと、愛想よく語るのがまだまだな男性が多かった。
コーチングというスキルを学んでいる方ですらこうだから、コミュニケーションスキルを意識していない方の、周囲へ与えている印象は、もっと悪い可能性がある。

相手に聴く耳を持ってもらうには、愛想よく、つまり、表情をやわらかく、声のトーンをおだやかに、相手が聴く耳を持ちやすい言い方がおすすめだ。

よく「にこやかにできない」という男性がいるが、「愛嬌を振りまく」キャラでない方は、無理をする必要はない。特にビジネスでは、にやにやゲラゲラするのは、逆効果な場合も多々ある。

無理してニコニコしたりハイテンションになるのではなく、穏やかに、相手の可能性や今後の活躍を心から信じて、穏やかに伝える。そう、まるで心のふるさとのように。写真のようなキャンプのテントの中では、人々がお互いを認めつつ、和やかに、穏やかに語り合っている印象を私は受けるのだが、そんな感じで。

あなたが、部下や仲間にとって、写真のような「心のふるさと」のような存在になれれば、あなたのチームのパフォーマンスはどうなるか、想像してほしい。私が愛想よく、というのはそういう未来を予想してのことだ。

 

4)学び始めこそが要注意

私は昨年から東京のブレイクスルーコーチング1期というクラスに、月1回土日ベースで1年間通っていたのだが、複数のコーチ仲間から、「コーチ仲間同士でクラスでやっている時は愛想よくできても、職場ではつい上司と部下のような指示命令口調になってしまう」と聴いた。

だから、コーチングをはじめとするコミュニケーションスキルを学んだから、自分は大丈夫だ、ではなく、日々意識してアウトプットし、ブラッシュアップをする意識を持つことをお勧めする。
対策としては、自分の口調を録音して言われている相手の気持ちになって聞いてみること、録音が面倒なら、洗面所で、鏡の中の自分を、今日会う部下だと思って、穏やかな口調、穏やかな言葉、少しだけ熱意を込めて「〇〇君ならできるよ」「△△さん、期待しているよ」と声に出して言うことだ。

やりもせずに、そんなこと簡単だ、と思われる方もいるかもしれないが、何事もトレーニングでうまくなる。1日1分、歯を磨く前後にやってみてほしい。

 

5)まとめ 学ぶほど奥が深くなる

どんな芸道や学びでも、生半可に聞きかじった程度では「大したことない」と慢心しがち。その段階を過ぎると、やればやるほど奥深く、ますます謙虚になる。コミュニケ―ションスキルであるコーチングも同様だ。
学べば学ぶほど奥が深い。私はコーチングが好きだから、そのことを真摯に誠実にとらえ、あらゆる関わりにコーチングを意識する。具体的には、例えば今日お伝えしたような「認めてほめる」、しかも相手が受け入れやすい形で「認めてほめる」を意識して、今日も実行する。

 

よかったらぜひ、あなたもご自分の居場所で、職場で、家庭で、趣味の集まりで、仲間や家族や部下に、「愛想よく受け止め、語る」を、意識してやってみてほしい。